山本七平(やまもとしちへい)さんの著書、
帝王学「貞観政要」の読み方
を買って読みました。本の読み方、の本です。貞観政要はじょうかんせいようって読みます。
貞観政要(じょうかんせいよう)という、昔の中国の呉兢(ごきょう)っていう人が書いた書物がありました。
その内容は、現代風にでかみくだいて言うところのリーダーシップに関する本。
人の上に立つ者は、リーダーとしてどのような振る舞いをし、どんな視野で、どのように未来を見据えて行動に落とし込んでいくべきかを説いた本がありました。
それを山本七平さんという人が、現代人向けにわかりやすくしてくれたのが今回の本。
ぼくたちは生きていれば何かしらの組織に属して暮らしています。学校、会社、そして日本人、世界人など。
そんな環境の中において、心のありよう、姿勢、長い目で生き方はどうするとより良いのか。
背すじがシャキッとしてくる内容で、正座で集中して脳みそに染み込ませたいような、そんな本です。
たった今リーダーじゃないって人も、悪い例もいろいろ書かれているので、
上司とそりが合わないなら反面教師にするにはどうしたらいいのか…とか
ダークな使い方も出来る面白い本です。
いつかリーダーになる人へ。自分をリードしたい人へ。
感想を書いていきます。
目次
大衆=帝王になりえる世の中で、帝王とは何かを知ると大衆を知れるのでは
この本のまえがきには、
「大衆=帝王になりえるのでは」という趣旨の一文が出てきます。
ようするに「赤信号 みんなで渡れば こわくない」ってことです。
ひとりだとちゃんとブレーキをかけるシーンで、大勢の人がアクセルふんでたら行ったれで押し通す…みたいな。
この本は昭和に書かれた本ですが、令和でも通じる、むしろ現代こそ学んでおくべきことかもしれないと強く思いました。
様々なSNSや便利なサービスが溢れかえっていて、
ある意味カンタンに
モラルを飛び越えて力を持つことが出来てしまう時代。
炎上商法なんて言葉もあるくらいですからね。
自制心を問い直す時のものさしに使える
自分の行いをコントロールする能力は、
実はより良く生きるために必須項目なのかもしれません。
帝王学は、まるでものさしやスポットライトのように、
人間関係の距離感や自分の得意不得意を照らし合わせるのに有用だと感じました。
仕事で上司になった時、努力して美人になった時、
どこかで見上げられる側に立った時、それは帝王のはじまりかもしれない。
その人をその人たらしめるのは、
「どこでアクセルを踏み、どこでブレーキをかけるのか」という所にも現れると思います。
自分がもしもある程度の力を持った状態、つまり、「小さな帝王」になっていた場合、
どんな行動でゴーを出して、どんな行動でノーと断るのか。
子供の頃に「もうお兄ちゃんなんだから」とか言われたことはあるでしょうか。
その規模でっかいバージョン…かもしれません。
もう帝王なんだから。
自分を律する自制心を養うのに使える本だと思います。
まとめ、おかたい内容かと思いきやすいすい読める、それでいて得るものが多くありそうな本だ
山本七平(やまもとしちへい)さんの著書、
帝王学「貞観政要」の読み方
を読んだ感想の話でした。
いつの世も、人間関係や自分の心のありようについて
人は考えるものなのでしょう。
現代はだれがいつリーダーになってもおかしくない。
時代の荒波に流されて自分のリーダーがすげかえられることもあるかもしれない。
自分が一念発起してリードする立場になるかもしれない。
その予習として極上の一冊です。
あまりにも難しい言葉にはふりがなもふってあるし、読み始めるとすいすいいけます。
「心」や「組織」の話題だからか、自分ごとに置き換えて没入しやすかったです。
本棚にい続けて何度も読み返すタイプの文庫本でした。
おまけ選書、こんな本もあります
おまけで、いくつか近いジャンルの本を選書して置いておきます。
ご参考に。
【座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」、出口治明、KADOKAWA、2019年12月07日発売】
【貞観政要、呉兢(ごきょう)、筑摩書房、2015年09月09日発売】
【大衆への反逆、西部 邁、文藝春秋、2014年08月20日発売】